【育ててなんぼ】我が家のつげ櫛お手入れ方法【愛着倍増】
こんにちは、育てる系の道具大好きっ子たしろです。
古くから髪にいいと言われるつげの櫛。その良さの理由は、つげ(黄楊)の木という粘り強い素材と、櫛に染み込ませている椿油が髪の毛を優しく保護しながら解きほぐしてくれているから。
そしてその良さは、定期的にお手入れすることでより良いものとなっていきます。
お手入れ方法は汚れを落とし椿油を染み込ませるというシンプルなものですが、この方法が調べてみると人によりけり。
使う道具や、そもそも椿油以外の油を使うなど様々な方法がありましたので、我が家の方法を紹介しつつお手入れに関する疑問も解消できればと思います!
櫛にお手入れ?
冒頭の通り、つげ櫛には椿油が染み込ませてあります。
保湿に優れ髪に潤いと艶を与える椿油ですが、櫛を使っていると、乾燥と共に椿油の効果は薄れていってしまいます。
また、木の乾燥を防ぐためにも定期的に椿油を馴染ませるというお手入れが必要なんです。
少し手間かもしれませんが、つげの櫛は育ててなんぼ。お手入れを繰り返すごとに櫛は飴色に変化し、より頭皮に優しく、より髪に艶が出ます。
そしてなにより乾燥を防ぐことでつげの木の粘り強い性質がより強固なものとなり、つげ櫛の真骨頂でもある、一生使える道具となるのです。
お手入れの正解ってどんな状態?
つげ櫛のベストな状態がどんなものか、悩みません…?
たしろはつげ櫛デビューしてから約半年、未だに「これが正解だ!」と断言できる自信がありません。
断言はできませんが、試行錯誤しつげ櫛を愛でてきた中で、一応「これは良いコンディションな気がするぜ」と思う状態がございます。
- 手に持った時の手触りが乾燥していない
- かといってベトついてもいない
- 触ったらほんのり(本当にほんのり)違いがわかるしっとり加減
今回ご紹介のお手入れ方法は、以上の状態を目指すための手順と思っていただけますと幸いです。
つげ櫛のお手入れに必要なもの
私が普段使用するのは以下の通り。
- 椿油
- 歯ブラシ
- ラップ
- つげ櫛が入るサイズの容器
- ティッシュやガーゼ、布など(筆者はキムワイプを使用)
歯ブラシ、ラップはドラッグストアで買ったもの。容器はマックスバリュのキッチン用品コーナーで見つけたタッパーみたいなやつです。ティッシュやガーゼもドラッグストアやスーパーで揃います。
椿油とキムワイプについては、詳細をご説明しますよ~!
椿油ってどれを選べばいいの?
ドラッグストアなどでも置いている事が多い椿油ですが、純度100%のものが望ましいです。
ヘアケア商品として売っているものは物によっては他の成分が配合されていることもあるので、購入時はパッケージに記載の成分表をよく見てくださいね。
筆者たしろの椿油チョイスは?
つげ櫛を購入する際には、その工房で取り扱っている椿油を一緒に購入しています。
外部リンク
今回使用しているのもこちらで購入したものです!
が、さすがにつげ櫛購入頻度よりも椿油の消費量が上回ります。
切らした際は「五島特産 純粋椿油」を愛用しています。
椿油の特産地である長崎新上五島町の特産品で、質が良くお値段も良心的、何よりボトルがとっても可愛くてめちゃくちゃお気に入りの一品です。
キムワイプって何?
キムワイプは、ティッシュのようでティッシュより丈夫。ホコリが舞いにくく物を拭くことにとても長けたペーパーです。
つげ櫛のお手入れの際は椿油を染み込ませて櫛に塗る際に使うので、ティッシュやガーゼ、布でも全く問題ありません。
ですが拭きやすさと手軽さが段違いに良いためたしろは普段キムワイプを使用しています。
他にもガラスの食器などを超キレイに拭き上げることができたり、何かと便利で我が家はキムワイプを常備しています!
つげ櫛のお手入れ手順
ざっくり手順は以下の通り。
- 櫛についた汚れを軽くとる
- 椿油を染み込ませる
- 櫛のコンディションによってはしばらく置く
- しっかり拭き上げて完了!
このような手順です。
この手順、大阪は堺市にありますつげ櫛工房「辻忠商店」さんのお手入れ説明書を参考にしています。
これだけでも十分わかりやすく親切なのですが、いざやってみると優柔不断なたしろは使う道具や椿油の加減など、「どんなもんなん?」と迷うところがボチボチありました。
そのためここでは、自分の使いやすい道具などで多少アレンジした方法を、写真付きでご紹介します。
1.つげ櫛についた汚れを軽くとる
まずは歯ブラシで、表面についたホコリなどの汚れをかるーく掃除していきます。
え、そんな言うほど汚れなくない?
なんて思われるかもしれません。私も初めてお手入れするまでは思っていました。
ですがよ~く見てみると…
おわかりになりますでしょうか、歯の間にホコリが結構たまっています。荒い歯もここまでひどくないもののよーく見るとやっぱりホコリが付着しています。
決して使い方が汚いとかではなく、髪のよごれをしっかりキャッチしてくれてる証拠ですね。
髪の毛の見えないホコリまで取ってくれている、優秀さの現れです!
この細かいホコリを、歯ブラシで掃いてキレイにします。
私はいつも容器の蓋の上に櫛を立てて、歯の根元から歯先に向かってサッサとかるーく掃くようにお掃除しています。
掃いた汚れがよく見えてスッキリできるのでお気に入りのやり方です。ラップを敷いておけばフタの掃除もいりません。画像はラップ敷いてないですね忘れてたんですすみません…。
また、「1本の隙間ごとに確実に汚れを落としたいんだ…!」なんて方はすき間ブラシを使うと良いと思います。
と言いつつも、個人的には歯ブラシで十分掃除はできているので不要かなという印象です。
2.椿油を染み込ませる
概ねホコリなどの汚れが落ちたら、椿油を染み込ませます…が!ちょっとまったその前に!!
ここからは道具や櫛が油まみれになりますので、先に容器を準備します。
椿油を塗り終わった櫛を置く為でもありますが、作業中に椿油まみれになる道具たちをちょっと置きたい時の受け皿として、めちゃくちゃ活躍します。
容器が準備できましたら、ティッシュやガーゼ、キムワイプなどに椿油を染み込ませます。
どんくらい垂らしたらいいかな?
じんわり染み込む程度でOK!
ご用意いただいたペーパーや布に、じんわりしみこむ程度垂らします。椿油は伸びが良く広がってくれるので、本当にじんわりで大丈夫です。
足りなきゃあとで足しましょう!
椿油を染み込ませたペーパーや布で、つげ櫛に椿油を塗っていきます。
ここは思い切りよく、てかてかになるくらいたっぷりまんべんなく塗りますよ~!(たのしい)
特に大事なのは歯の部分。ここはペーパーや布では塗りきれないので、歯ブラシに再登場願いましょう。
ご覧のようにつげ櫛に塗り込んで、歯ブラシで隅々まで広げて…と手も道具も椿油だらけになります。
複数のつげ櫛を一気にお手入れする場合は特に、道具や櫛の置き場に困らないように容器の用意はくれぐれも忘れない事をおすすめします!
椿油に漬けこまなくていいの?
ネット上を見ていると椿油を塗り込むのではなく、「櫛を椿油に浸す」といった情報も見かけますが、たしろは体感上、ペーパーや布でたっぷり塗りつける程度で充分と考えています。
何年も手入れせず、櫛が割れそうなくらい乾燥している…なんて場合の処置には有効なのかもしれませんが、普段からお手入れしている櫛の場合は、潤いを通り越してべたつきそうだな…と思いました。
あとの手順はつげ櫛のコンディションによりけりです。しばらく置く場合はこのまま次の工程へ、置かずにすぐに拭く場合は一つ飛ばして油を拭いて完成!の項目へどうぞ!
容器に入れてしばらく置く
すべての櫛に椿油を塗り終えたら、容器に入れて、ラップで包みます。
完全密封じゃないととかは一切気にせず、ふんわり包む感じです。何のためかと言われたら「乾燥を防いで椿油の染み込みを気持ち促進してるかも」くらいの感覚です。
あとはフタをして各々の置き時間寝かします。
どのくらい置いておけばいいの?
これはお持ちの櫛のコンディションや、お手入れの頻度によって変えると良いかと思います。
以下にたしろの置き時間の判断を記載しますので、参考になれば幸いです。
1ヶ月前後の間にお手入れ済みの場合
櫛を触ってみても、そんなに乾燥していない事が多いです。そんな場合は椿油を塗った後すぐに拭きます。
1~2ヶ月の間にお手入れ済みの場合
こちらも触ってみて大きな乾燥がなければ、椿油を塗った後、1~3時間ほど置いたら拭きます。
3ヶ月以上お手入れなし、もしくは冬場などで櫛が乾燥気味と感じる場合
椿油を塗ったあと、ひと晩置きます。たっぷり椿油を染み込ませたら、翌日に拭きます。
以上はあくまでたしろの体感、そしてこの判断も多少変わったりしますので、最終的にはご自身のお手元にある櫛の状態を見て判断してあげてくださいね。
椿油をしっかり拭いて完成!!
さああとはつげ櫛にたっぷり付いた椿油をしっかり拭くだけ!
「染み込んでないかも…」と心配して下手に拭き残すと髪をとく時にベッタリと油がつきかねないので、ここはしっかり拭くことが大切です!
心配な場合は、拭いた後にすぐ使わずしばらくおくと更にきちっと染み込みます!
拭くときはティッシュやガーゼ、布などでOKですが、たしろはここでもキムワイプを使います。
キムワイプを使ってどんどん拭いていきます。まずはざっくり表面の油の拭き上げから。
この油まみれを丁寧に拭くと…
このようにしっとりつややか。
この瞬間が最高に気持ちいいです…!!
そして忘れてはいけないのが歯の部分。
キムワイプを折って、歯の間もしっかりと拭いていきます。
隅々までしっかり拭いたら、今度こそお手入れ完了です!お疲れさまでした!!
ところで何で椿油なの?他の油じゃだめなの?
私が疑問に思っておりましたこのあたりの謎。それなりに調べましたので先にざっくり回答します。
- 椿油は酸化しにくく保湿に優れているので、髪と櫛ともに乾燥を防いでくれる
- 椿油と同じように保湿に優れた油なら使える
という見解です。
それでは難しくない程度に詳細を説明しますね。
椿油がつげ櫛に最適な理由
椿油にはオレイン酸というものが実に多く含まれています、オレイン酸は皮脂にも含まれている成分で、以下のような特徴があります。
- 酸化しにくい
- 蒸発しにくい
この「酸化しにくく蒸発しにくい」成分が櫛や髪にどう作用するかというと、
- 櫛の乾燥を防ぐ
- 髪の表面をコーティングし、潤いキープで乾燥を防ぐ
という役目を抜群に果たしてくれるんですね。この「櫛にも髪にも良い」ところが椿油ならではなんです。
代用するならオリーブオイルが順当だけど…
椿油のオレイン酸含有率が80%以上に対して、オリーブオイルは70%以上と言われています。椿油にやや劣るものの、保湿には充分の含有量です。
椿油が良いに越したことは無いですが、椿の香りが苦手だったり、どうしても他の油で代用したい…なんて方はオリーブオイル(エキストラバージンオイル)を検討するのが良いと思います。
ただし!筆者はオリーブオイルで代用してみたことがありません。
成分や数字上は問題ないと思いますが、実際の使い心地、香りや色の移りなど…どうなるか申し訳ないですが語れません。ご利用の際は自己責任でお願いいたしますね。
お高い櫛なので、できるなら適切な手入れをしたい所存です
髪には良いけど櫛の手入れには向かない油もある
辻忠商店さんの説明書には、椿油がなければ植物性の油で代用可能、と記載があります。そのなかでも極力酸化せず肌に優しく、蒸発しにくいのが先程申し上げた椿油とオリーブオイルな訳ですが…
そもそも動物性の油はだめなの?
動物性の油は常温で固まる性質のものが多くて、おすすめできないねん…
ここで念のためお伝えしたいのは、つげ櫛のお手入れに向かない、というだけで、動物性の油が肌や髪に悪い訳ではないよ!ということ。
たとえば馬油なんかは椿油と同じく人の皮脂に近い成分を持ち、肌や髪に良いとされています。ですが常温で固まってしまうためつげ櫛に染み込ませることが難しく、お手入れ用には不向きです。
また、植物性ではありますがホホバオイルも同じ。ホホバオイルは厳密には油ではなく「ロウ(蝋)」のため、10度以下だと真っ白に固まり、つげ櫛のお手入れには向きません。
ですがホホバオイルは、保湿や浸透力にかけては椿油を遥かに凌ぐというダメージヘアーのキングオブ救世主。たしろも風呂上がりのトリートメントは必ずホホバオイルを使用します。
冬場はわざわざ温めてでも使っているほどのアイテムです
このように、他の油で代用する場合は「一番効果の高いものが良い」ということではなく、あくまでも「つげ櫛のお手入れに最も効果を発揮する」という見方で油を選んでみてくださいね。
お手入れ時間は、一生モノの相棒を労う時間
一目惚れでつげ櫛を持ち始めてから半年以上。最近は解いた後に「あれ?そろそろ櫛が乾燥してきたかも」なんて、櫛のコンディションがわかるようになってきました。
つげ櫛にとってお手入れは、自身の髪のお手入れと同じようなものです。大事に大事に育てていけば、櫛はどんどん飴色に変化し、あなたの手にも馴染んでいきます。
ただ説明どおりに作業するのではなく、是非とも櫛のコンディションを見ながら、あなたの櫛に合わせたお手入れをしてあげてくださいね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
この記事で紹介した商品
五島特産 純粋椿油
椿油の特産地で作られているとっても質の良い椿油です。質の良さだけではなく、ボトルの可愛さが筆者のお気に入りポイントです。
キムワイプ
破れない、ホコリが付かない、でもティッシュ感覚で気軽に使える。そんなキムワイプはつげ櫛のお手入れにとどまらず生活の至るところで便利なため、たしろ家は各部屋に1つ常備するほどのお気に入りです。
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